利益を追求するのは悪か?
経営は結果がすべてです。
どんな努力もプロセスを重ねても経営者に求められるのは結果です。
とてもドライで夢のない話ですよね。
しかし経営者になるっていうことはそういう事なんです。
性格が良くて従業員にも取引先にも気が利いて慕われていても、結果が伴わないと経営者失格です。最初に痛感するのは、ある程度の規模の企業との取引や金融機関との場面でしょう。
「会社とは利益を求めるもの」
会社法にも載っている会社の目的です。
少なからずお金持ちや家族を経済的に幸せにしたくて事業を始めたはずです。
利益を追求することが経営者の共通の基盤です。
「あそこの社長はお金ばっかり」なんてドラマで出てくるような、典型的な毎日ゴルフして愛人を何人も囲っているような大社長ではありません。
なので何も臆することはありません。しっかり利益を出すことに集中してください。
(たまに勘違いしてドラマのフレーズを言う人出てきますけどね笑)
利益のために非常な決断をするとか、人を裏切るとかいうイメージを持つ人が多いのですが、そう言うことじゃなくて、利益を意識して経営していくということですよ。
(日本人的にお金を稼ぐことが悪なイメージありますもんね)
起業した段階で「お金稼ぎます!」って宣言している訳ですから。
売上と利益
売り上げに囚われていませんか?
経営者が気にするのは利益です。
業種の違い
一千円の商品を利益率70%で販売するのと一万円の商品を利益率7%で販売するのは同じ利益になりますよね?ホルモン屋さんの千円の売上とゲームソフトの一万円の売上と同じくらいです。
そのくらい扱う商材によって違います。ちなみに、やるとしたらどちらがいいですか?
居酒屋さんで月に1,000万円売っているゲーム屋さんと、月に100万円売っているホルモン屋さんに会ったら、「ゲーム屋さん凄〜い」って言われるでしょうが、実は中身は一緒です。扱う額が大きい分、経営はゲーム屋さんの方が難しく厳しいでしょう。
一本売れないソフトを仕入れてしまうと、その原価(9,300円)を穴埋めするのに他のソフトを13本売らなければいけません。それでもまだ若干赤字です。つまり15本仕入れて14本販売しても利益は500円です。店舗の維持費や人件費を賄うのは利益です。非常に厳しく難しいのを理解してもらえると思います。
確かに支払日まで預金額は大きくなるので儲かっている錯覚をします。しかし月末には1,000万円の預金が仕入れの支払いだけで993万円旅立っていきます。
何もわからない二代目が会社をすぐ潰してしまうのはココです。これだけ預金があったら少しくらい遊びに使ってしまう気持ちもわかりますよね。建設業ならもう一桁増えますから、しっかり学んでいないと大変なことになります。
ターゲットの違い
高ブランドの服を扱っている服屋さんと、低価格の服屋さん。利益率は同じです。
もちろん客数が多く賑わって見えるのは低価格の方です。
低価格で勝負するならやめておいた方がいいです。理由は二つあります。
薄利多売のスタイルは大資本に取って代わられる運命にあること。
一着の販売に掛かる手間やコストは高価格店の一着と同じだという事。
低価格のお店に集まるお客様は価格が魅力なのです。あなたやスタッフの接客スキルは置いておいて、低価格の魅力が大部分を占めていることを自覚しましょう。
大資本がやってきたら勝ち目はありません。オープニングで投入するプロモーションも、しばらくの期間利益度外視で打ってくるでしょうし、品揃えも敵いません。マーケティングもたくさんのデータを持っていますので的確でしょう。そして価格勝負は消耗戦が待っています。
高価格帯の路線は一部の富裕層が顧客になります。
メーカーもブランドの価値を維持するために、一都市に一店舗が原則です。
なので、新規参入店舗との競合は起こりません。
どういった縫製・生地であるかはお客様がよくわかっているので、最大のライバルはネット販売になるでしょう。
大切なのは信頼して来店頂く顧客がどれだけいるか。これには独立前からのお客様もいることでしょう。新規のリピーターを築くにはしっかりしたスキルと信用を得るまでの時間が必要です。
ちょっと話が逸れましたが、一着の商品を販売するのに掛かるコストはあまり変わりがありません。僕は安売りは「くたびれ儲け」だと思っています。スタッフに還元する給料や休日にも影響します。
量をこなす忙しさよりもスキルを磨くことに切磋琢磨したいです。
プロセスは従業員
日々の努力は当たり前の話で、経営者が頑張った姿を誰に見てもらって誰に誉めてもらいたいのでしょう。上司はもういないのです。
従業員を雇用したら、しっかり結果ではなくプロセスを評価しましょう。
経営者とは真逆です。
従業員に結果ばかり求めるのは間違いで、結果が出るようにしっかり導くことが経営者の仕事です。
本当に従業員を思い取引先に感謝しているのでしたら、給料や休日、取引量で返さなければいけません。その原資は全て利益からなのですから。