明治維新と今
経営者になったら競走馬と同じで、地方競馬から勝ち続けていくしかありません。
途中でつまづいたら即引退です。戦後の経済に大きな基盤として稼働していたシステムが、一通り先進国まで辿り着いた今
制度疲労を起こしています。
努力して勉学に励み、いいところへ進学し大企業に就職する見返りに生涯を保障される。
世界中で唯一成功した、実質社会主義経済の日本で育まれた終身雇用や年金制度は終焉をむかっています。まさに今は明治維新以来の変革期です。
僕の前の世代ではやりたくても出来なかったことができる時代です。
25年前に起業した際に、お世話になった前職の会計事務所の先生に宛てた手紙の一部です。
しかし、今振り返ると当時(1999年)は、日本の歴史で言えば楽市楽座ができた頃。
日本で商売というものが許された頃に似てます。
まさに今こそが、明治維新以来の変革期でしょう。
護送船団から実力主義へ
組織に属する時代ではなくなりました。
自分一人の力で勝負の舞台に上がれます。
行政も大企業も副業を勧めています。
国として終身雇用制度の限界をわかっているから、個人個人でもっと工夫して働いて生活は自己責任で。
というメッセージです。
コストゼロから始められるネット業界からフリーランスという、ちょっとかっこいい称号をもらった
個人事業主が続々と現れました。
建築業界でも独立して個人として外注先になる事を勧めている企業も多いです。
飲食業界ならキッチンカーでの起業は、主婦の方が圧倒的に多いです。
どんな職種も物流から販売まで構築する手間がなくなりつつあります。
当然競争は激しいです。実力次第、価格次第というドライな世界になります。
それでもやりたい事、自分の可能性を試してみたい人には自由な世界になりました。
社会主義システムからの卒業
日本の高度成長期は勉強に励んで学歴を積み、いい企業に就職したら定年まで連れて行ってくれるいわゆる「護送船団方式」という終身雇用を約束された時代でした。
これは資本主義というより社会主義に近いシステムです。
日本は世界で唯一、社会主義システムが成功した国だと言えるでしょう。
このシステムも時代の移り変わりとともに制度疲労を起こしています。
国内で生産し消費する日本型の内需経済は、世界中との貿易が盛んになり、今はネットの普及とともにサービス業まで世界中と繋がっています。
日本経済を支えた優秀な護送船団方式からの脱却が必然的に求められています。
企業も終身雇用を支えられなくなります。
年金制度も破綻しています。
これからは個人の実力主義。能力主義。
これからが本当の資本主義社会到来です。
激動の感じ方
「私がこれから始める小さなお店には関係ない」
と考えがちですが、決してそんなことはありません。
世界で起きている戦争が他人事と考えるのと同じです。
人間は自分の身に降りかからないと実感できないものです。
特に日本は、長いあいだ経済も軍事も平和でしたから尚更です。
今自分が立っている位置を知るのは非常に難しいです。
事業を始めると、人の会社はよく分析できるけど自分の会社の現状は全然理解していないという事がよくあります。経営者あるあるです。
「自分のことを客観的に見る」
よく聞くフレーズですが、どうしたらいいのか。
実際はなかなか難しいですね。
スマホが出た時、すぐにガラケーから乗り換えたでしょうか?
パソコンが出た時、触り出すまで何年かかりましたか?
ネットではじめて買い物するまでどのくらいかかりましたか?
chatGPTは…。
こうした世間に浸透するモノやサービスも実際に利用するまで何年もかかります。
社会の変化、環境の変化を敏感に感じる方法として、まず自分で体験してみる。
その上で必要か必要ないのか判断するべきです。
新しい情報はどうしても斜め目線で見てしまいます。
評論するより自分で体感して判断することです。
競争が始まります
起業を目指すあなたへ。
冒頭で触れたように僕の創業時の25年前はそれほど競争は起きませんでした。
同じ時代に起業したホリエモンや孫さん、三木谷さんや藤田さん。
イーロンマスクやユニクロもこの頃でしょう。
あなたに同じようなポテンシャルがあっても、同じような成果が出るかといえば環境はもっと激しくなりますのでハードルは上がっています。そして、ますます上がっていきます。
今、大競争が始まっています。
自分の能力を試して本気で始めるならのんびりしていちゃダメです。
スピード感を身につけてください。
ライバルは一日、一時間単位で増えています。
身近なライバルではないです。日本中、世界中が舞台になります。
chatGPTもミッドジャーニーもとりあえず使ってみてください。
サービスの内容、使いやすさ、使いづらさを実感してみてください。
自分の事業に役立つか、そうでないかを自分自身で判断してください。
起業が素晴らしいことではありません。
社長という肩書きがかっこいいわけでもありません。
ただ、サラリーマンを続けるにしても生涯の人生を保障してくれる会社ではないかも知れません。自分を磨いて実力を認められないと、企業の生き残り策でリストラだってあり得ます。
いずれにしても時代は大きく変革しています。
政治の世界も世界情勢も大きな変革を迎えているようです。
これからは政党でなく、議員の能力や信用度で選ぶ事になるでしょう。
自分が坂本龍馬だったらどう生きていくか、自分にとって何が幸せか。
寝る前に少しだけ考えてみるのもいいかも知れません。